ポンコツ人間

僕は今年の4月から新社会人として働く。

世間体を考えると、申し分ない仕事に就く。威張れるほど凄くはないが、卑屈になるほど悪くはない、といった感じだ。

しかし、働くということそのものに対して不安がある僕にとって、そのことが逆に自分を苦しめる予感がしている。

 

まだ、アルバイトとしてしか働いたことはないが、おそらく僕は仕事ができない部類だ。

 

大学1、2年の時は予備校のチューターとして働いていた。

大学受験で第一志望に合格した僕は、通っていた予備校に誘われる形でアルバイトを始めた。

 

このときも最初は優秀な人間だと思われていたのである。

 

しかし、働き始めるとすぐにボロが出た。

報告書の提出期限に遅れる、形式を間違える、誤字、誤った数値で報告するなどなど、少し注意すればなんとかできるようなミスを繰り返した。そのたびに社員には怒られ、僕の精神はかなり疲弊してしまった。

 

自分ではかなり気を付けているつもりでも、適当にやってる人よりも多くのミスをしてしまう。本当に病気なんじゃないかと思ったこともあるくらいだ。

 

なぜミスをするのかを冷静に分析してみたことがある。すると、好きじゃないことや気が進まないことをやるときにミスを頻発するということに気が付いた。

確かに、やりたくないことをやるとき、脳にストップをかけられるような感覚に陥る。今まで正常に電気信号を伝達していた脳みそが、ところどころでショートを起こすのである。

 

このことから判断すると、僕は好きなこと以外は何もできない超ポンコツ人間なのだ。

そして、好きなことならボロが出ないため、本当にその企業に行きたいと思って受ける就職面接などには滅法強いのである。だから、自分の実力に見合わない場所に簡単に放り込まれるという性質を持っている。

仕事とは大半がやりたくないことだという。こんな僕が仕事をして、一人の大人として生計を立てていけるのだろうか。結局、最初に与えた印象を裏切る結果になるのではないだろうか。